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中級者向け実践：一般企業でのGAS自動化による夏季休暇申請・承認ワークフロー（中規模企業向け）

中級者向け実践：一般企業でのGAS自動化による夏季休暇申請・承認ワークフロー（中規模企業向け）

本記事では、一般企業の中規模組織（11-100人）を対象に、Google Apps Script（GAS）を活用した夏季休暇申請・承認ワークフローの自動化について解説します。中級者向けに、実際のコード例を交えながら、GASの具体的な実装方法を詳しく説明します。夏季休暇の申請プロセスを効率化し、人事・労務担当者の負担を軽減することを目指します。

夏季休暇申請・承認ワークフローの課題

従来の手作業による休暇申請・承認プロセスには、以下のような課題があります。

  • 申請書の印刷・配布・回収の手間

  • 承認状況の確認に時間がかかる

  • 申請内容の入力ミスや紛失のリスク

  • 人事・労務担当者の集計作業の負担

これらの課題を解決するために、GASを用いた自動化ワークフローを構築します。

GASによる自動化ワークフローの概要

本ワークフローでは、以下の要素をGASで自動化します。

  • 申請フォームの作成（Googleフォーム）

  • 申請データのスプレッドシートへの自動記録

  • 承認者への自動メール通知

  • 承認ステータスの自動更新

  • 休暇取得状況の自動集計

実装手順

1. Googleフォームの作成

夏季休暇申請用のGoogleフォームを作成します。フォームには、以下の項目を含めます。

  • 氏名

  • 所属部署

  • 申請日

  • 休暇開始日

  • 休暇終了日

  • 休暇理由

2. スプレッドシートの準備

フォームの回答を記録するためのスプレッドシートを作成します。フォームとスプレッドシートを連携させ、回答が自動的に記録されるように設定します。

3. GASコードの実装

以下のGASコードを記述し、トリガーを設定します。

// スプレッドシートのIDとシート名を設定
const ssId = "YOUR_SPREADSHEET_ID";
const sheetName = "フォームの回答 1";

// 承認者メールアドレスを設定
const approverEmail = "approver@example.com";

// フォーム送信時のトリガーで実行される関数
function onFormSubmit(e) {
  // スプレッドシートを取得
  const ss = SpreadsheetApp.openById(ssId);
  const sheet = ss.getSheetByName(sheetName);

  // 最終行の行番号を取得
  const lastRow = sheet.getLastRow();

  // フォームの回答内容を取得
  const timestamp = e.values[0];
  const name = e.values[1];
  const department = e.values[2];
  const startDate = e.values[3];
  const endDate = e.values[4];
  const reason = e.values[5];

  // 承認状況を「申請中」に設定
  sheet.getRange(lastRow + 1, 7).setValue("申請中");

  // 承認依頼メールを送信
  sendApprovalRequestEmail(name, department, startDate, endDate, reason, approverEmail, lastRow + 1);
}

// 承認依頼メールを送信する関数
function sendApprovalRequestEmail(name, department, startDate, endDate, reason, approverEmail, row) {
  const subject = "【夏季休暇申請】" + name + "さん";
  const body = name + "さんから夏季休暇の申請がありました。

  所属部署: " + department + "
  休暇開始日: " + startDate + "
  休暇終了日: " + endDate + "
  休暇理由: " + reason + "

  スプレッドシートで内容を確認し、承認または却下してください。
  スプレッドシート

  (このメールは自動送信されています)";

  MailApp.sendEmail({
    to: approverEmail,
    subject: subject,
    htmlBody: body,
  });
}

// スプレッドシートの編集時トリガーで実行される関数
function onEdit(e) {
  const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const sheet = ss.getActiveSheet();
  const editedCell = sheet.getActiveCell();

  // 承認状況が変更された場合
  if (editedCell.getColumn() === 7) {
    const row = editedCell.getRow();
    const status = editedCell.getValue();
    const name = sheet.getRange(row, 2).getValue();
    const email = sheet.getRange(row, 8).getValue(); // メールアドレスの列番号に合わせて変更

    // 承認または却下メールを送信
    sendApprovalResultEmail(name, status, email);
  }
}

// 承認結果メールを送信する関数
function sendApprovalResultEmail(name, status, email) {
  const subject = "【夏季休暇申請】" + name + "さんの申請結果";
  let body = name + "さんの夏季休暇申請は";

  if (status === "承認") {
    body += "承認されました。";
  } else if (status === "却下") {
    body += "却下されました。";
  } else {
    return; // 承認/却下 以外のステータスの場合は何もしない
  }

  MailApp.sendEmail({
    to: email,
    subject: subject,
    body: body + "\n\n(このメールは自動送信されています)",
  });
}

コードのポイント：

  • onFormSubmit(e)関数は、フォーム送信時にトリガーされます。

  • sendApprovalRequestEmail()関数は、承認者へメールを送信します。

  • onEdit(e)関数は、スプレッドシートの編集時にトリガーされます。

  • sendApprovalResultEmail()関数は、申請者へ承認結果メールを送信します。

  • YOUR_SPREADSHEET_IDとapprover@example.comは、実際のスプレッドシートIDと承認者のメールアドレスに置き換えてください。

4. トリガーの設定

GASエディタから、以下のトリガーを設定します。

  • onFormSubmit関数：フォーム送信時

  • onEdit関数：スプレッドシート編集時

応用例と活用シーン

  • Slack連携：承認状況をSlackに通知する。

  • Chatwork連携：承認状況をChatworkに通知する。

  • 部署ごとの承認フロー：部署ごとに異なる承認者を設定する。

  • 休暇残日数管理：休暇残日数を自動で計算し、申請時に表示する。

まとめ

GASを活用することで、夏季休暇申請・承認ワークフローを効率化し、人事・労務担当者の負担を軽減できます。本記事で紹介したコード例を参考に、自社の環境に合わせてカスタマイズしてください。