GASで始める！中小企業向け夏季業務効率化：Gmail操作による休暇連絡自動化

中小企業における夏季休暇中の業務効率化は、従業員の満足度向上と事業継続の両立に不可欠です。本記事では、Google Apps Script（GAS）を活用し、Gmail操作による休暇連絡自動化システムを構築する方法を、中級者向けに解説します。夏季休暇期間中の不在連絡設定を自動化し、顧客や取引先への対応遅延を防ぐとともに、従業員の休暇取得をスムーズに支援します。

休暇連絡自動化システムの概要

本システムは、夏季休暇期間中に受信したGmailに対して、自動的に休暇中である旨を返信するものです。具体的には、以下の機能を実現します。

• 休暇期間の設定：スプレッドシート上で休暇期間を設定します。
• 自動返信設定：休暇期間中に受信したメールに対して、指定した自動返信メッセージを送信します。
• 除外設定：特定のメールアドレス（例：社内からのメール）に対しては自動返信を行いません。
• ログ記録：自動返信の履歴をスプレッドシートに記録します。

GASによる実装手順

以下に、GASによる実装手順をステップごとに解説します。スプレッドシートの作成からスクリプトの記述、トリガーの設定まで、具体的なコード例を交えながら説明します。

1. スプレッドシートの作成

まず、Googleスプレッドシートを作成し、以下の項目を設定します。

• シート名：「休暇設定」
• 項目：開始日、終了日、自動返信メッセージ、除外メールアドレス

例：

2. GASスクリプトの記述

スプレッドシートに紐づいたGASスクリプトエディタを開き、以下のコードを記述します。

// スプレッドシートから設定情報を取得する関数
function getSettings() {
  const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const sheet = ss.getSheetByName("休暇設定");
  const settings = {};
  settings.startDate = new Date(sheet.getRange("B2").getValue());
  settings.endDate = new Date(sheet.getRange("B3").getValue());
  settings.message = sheet.getRange("B4").getValue();
  settings.excludeAddress = sheet.getRange("B5").getValue();
  return settings;
}

// Gmailの自動返信を行う関数
function autoReply() {
  const settings = getSettings();
  const now = new Date();

  // 休暇期間外の場合は処理を終了
  if (now < settings.startDate || now > settings.endDate) {
    return;
  }

  const threads = GmailApp.search('is:inbox is:unread');
  threads.forEach(thread => {
    const messages = thread.getMessages();
    const firstMessage = messages[0];
    const sender = firstMessage.getFrom();

    // 除外アドレスの場合は処理をスキップ
    if (sender === settings.excludeAddress) {
      return;
    }

    // 自動返信を送信
    thread.reply(settings.message);
    thread.markRead();

    // ログを記録
    logReply(sender, firstMessage.getSubject());
  });
}

// 自動返信のログを記録する関数
function logReply(sender, subject) {
  const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const sheet = ss.getSheetByName("ログ");
  sheet.appendRow([new Date(), sender, subject]);
}

3. トリガーの設定

GASのトリガーを設定し、autoReply関数を定期的に実行するようにします。

• トリガーの種類：時間主導型
• 実行時間：1分おき

応用例と活用シーン

本システムは、夏季休暇だけでなく、年末年始休暇や長期出張時など、様々なシーンで活用できます。また、自動返信メッセージの内容を動的に変更することで、よりパーソナライズされた対応も可能です。例えば、顧客の種類に応じて異なるメッセージを送信したり、問い合わせ内容に応じてFAQへのリンクを送信したりすることができます。

まとめ

GASを活用したGmail操作による休暇連絡自動化システムは、中小企業における夏季業務効率化に大きく貢献します。従業員の休暇取得を支援し、顧客や取引先への対応遅延を防ぐとともに、企業の信頼性向上にもつながります。ぜひ本記事を参考に、自社のニーズに合わせた自動化システムを構築してみてください。