GASで予算管理を効率化！CheckboxItem.showOtherOptionを活用した経費申請フォームの最適化

本記事では、Google Apps Script（GAS）のCheckboxItem.showOtherOption関数を利用して、財務・会計業務、特に予算管理における経費申請フォームを効率化する方法を解説します。経費申請における課題を解決し、柔軟なフォーム設計と正確なデータ収集を実現します。

CheckboxItem.showOtherOptionとは

CheckboxItem.showOtherOptionは、Googleフォームのチェックボックス形式の質問項目において、「その他」の選択肢を表示するかどうかを設定するGASの関数です。この関数を使用することで、ユーザーが事前に用意された選択肢に該当しない場合に、自由記述で内容を入力できるようになります。

基本的な使い方

この関数は、フォームのチェックボックスアイテムに対して使用します。具体的には、次のような手順で使用します。

フォームを取得する

チェックボックスアイテムを取得する

showOtherOption(true)またはshowOtherOption(false)で設定する

trueを設定すると「その他」の選択肢が表示され、falseを設定すると表示されません。

// フォームを開く
function openForm() {
  var form = FormApp.openById("フォームID");
  var item = form.getItemById("アイテムID").asCheckboxItem();

  // 「その他」オプションを表示する
  item.showOtherOption(true);
}

経費申請フォームへの応用

経費申請フォームにおいて、CheckboxItem.showOtherOptionは非常に有効です。例えば、経費の種類（交通費、宿泊費、通信費など）をチェックボックスで選択させる際に、「その他」の選択肢を追加することで、予期せぬ経費項目にも対応できるようになります。

実装例1：基本的な経費申請フォーム

基本的な経費申請フォームを作成し、経費の種類に「その他」の選択肢を追加します。

function createExpenseForm() {
  // フォームを作成
  var form = FormApp.create('経費申請フォーム');

  // フォームの説明を追加
  form.setDescription('経費申請の詳細を入力してください。');

  // 経費の種類質問を追加（チェックボックス）
  var expenseType = form.addCheckboxItem()
    .setTitle('経費の種類を選択してください')
    .setChoices([
      '交通費',
      '宿泊費',
      '通信費',
      '会議費'
    ])
    .showOtherOption(true); // 「その他」オプションを表示

  // 金額質問を追加（テキスト）
  var amount = form.addTextItem()
    .setTitle('金額を入力してください (円)');

  // 申請日質問を追加（日付）
  var date = form.addDateItem()
    .setTitle('申請日を入力してください');

  // フォームのURLをログに出力
  Logger.log('フォームのURL: ' + form.getPublishedUrl());
}

実装例2：条件付きで「その他」オプションを表示

特定の条件（例えば、申請金額が一定額を超える場合）でのみ「その他」の選択肢を表示する例です。この例では、スクリプトではなく、フォームのセクション分岐と組み合わせることで実現します。

経費の種類を選択する質問を作成（チェックボックス、その他オプションあり）

金額を入力する質問を作成（テキスト）

金額に応じてセクションを分岐させ、「その他」を選択した場合に詳細を入力させるセクションを用意

GASを使用する場合は、フォーム送信時にイベントを発火させ、金額に応じてshowOtherOptionの値を動的に変更することも可能ですが、フォームのUIが煩雑になる可能性があります。

実装例3：経費科目の自由記述と連携

「その他」で入力された経費科目をスプレッドシートに記録し、分析に利用する例です。

function onFormSubmit(e) {
  // スプレッドシートを開く
  var ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  var sheet = ss.getSheetByName('経費データ');

  // フォームの回答を取得
  var responses = e.response.getItemResponses();

  // 各質問の回答を取得
  var expenseType = responses[0].getResponse(); // 経費の種類
  var amount = responses[1].getResponse(); // 金額
  var date = responses[2].getResponse(); // 申請日

  // 「その他」が選択された場合の処理
  if (expenseType.indexOf('その他') > -1) {
    // 「その他」の内容を取得（通常は別の質問項目として用意）
    var otherExpense = responses[3].getResponse(); // 「その他」の内容
    expenseType = otherExpense; // 経費の種類を「その他」の内容で上書き
  }

  // スプレッドシートにデータを書き込む
  sheet.appendRow([date, expenseType, amount]);
}

注意点：このコードは、フォーム送信時に実行されるトリガーを設定する必要があります。「編集」→「現在のプロジェクトのトリガー」から設定してください。

よくある問題とトラブルシューティング

「その他」オプションが表示されない：showOtherOption(true)が正しく設定されているか確認してください。アイテムIDが正しいかどうかも確認してください。

「その他」の内容が取得できない：「その他」の内容を入力させる質問項目が別途用意されているか確認してください。

スクリプトが動作しない：トリガーが正しく設定されているか、権限が付与されているか確認してください。

カスタマイズ方法と応用例

経費の種類に応じて入力項目を変更：GASとフォームのセクション分岐を組み合わせることで、経費の種類に応じて入力項目を動的に変更できます。

承認フローの自動化：経費申請の内容に応じて、承認者を自動的に設定するスクリプトを作成できます。

会計システムとの連携：経費データを会計システムに自動的に連携するスクリプトを作成できます。

まとめ

CheckboxItem.showOtherOptionは、GASを活用した経費申請フォームの柔軟性を高める強力なツールです。この記事で紹介した実装例を参考に、自社の業務に合わせた経費申請フォームを構築し、予算管理業務を効率化してください。フォームのURLは、スクリプトエディタの「表示」→「ログ」から確認できます。

GASで予算管理を効率化！CheckboxItem.showOtherOptionを活用した経費申請フォームの最適化