GASで予算管理を可視化!EmbeddedChartBuilder.asScatterChartで実現する財務分析
予算管理は、企業や個人の財務状況を健全に保つ上で非常に重要な業務です。しかし、多くの企業では、予算と実績の比較、差異分析に手間がかかり、迅速な意思決定を妨げる要因となっています。本記事では、Google Apps Script(GAS)のEmbeddedChartBuilder.asScatterChart
関数を活用し、予算管理を可視化することで、これらの課題を解決する方法を解説します。特に、財務・会計の担当者の方にとって、日々の業務効率を向上させるためのヒントが満載です。
EmbeddedChartBuilder.asScatterChartとは?
EmbeddedChartBuilder.asScatterChart
は、Google Apps Scriptで使用できるグラフ作成機能の一つで、散布図を作成するために使用されます。散布図は、2つの変数の関係性を視覚的に表現するのに適しており、予算と実績の比較、経費の傾向分析など、財務データの分析に非常に役立ちます。
基本的な使い方
EmbeddedChartBuilder.asScatterChart
を使用するには、まずグラフを作成する対象となるデータを準備します。通常、このデータはGoogleスプレッドシートに格納されています。次に、GASを使用してスプレッドシートからデータを読み込み、EmbeddedChartBuilder
オブジェクトを作成し、asScatterChart
メソッドを呼び出して散布図を作成します。最後に、作成したグラフをスプレッドシートに埋め込みます。
// スプレッドシートからデータを読み込むサンプルコード
function createScatterChart() {
// スプレッドシートを開く
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName("予算実績データ");
// データの範囲を指定(A1からB10を例とする)
const range = sheet.getRange("A1:B10");
const data = range.getValues();
// グラフを作成
const chart = sheet.newChart()
.setChartType(Charts.ChartType.SCATTER)
.addRange(range)
.setPosition(5, 5, 0, 0) // グラフの位置を指定
.build();
// グラフをスプレッドシートに挿入
sheet.insertChart(chart);
}
予算管理における実装方法
予算管理において、EmbeddedChartBuilder.asScatterChart
は、予算と実績の差異を視覚的に把握するために活用できます。例えば、X軸に予算、Y軸に実績をプロットすることで、各項目の達成状況を一目で確認できます。
コード例1:予算と実績の比較
この例では、スプレッドシートに格納された予算データと実績データを読み込み、散布図を作成します。各データポイントは、各予算項目の予算額と実績額を表し、グラフを見ることで、どの項目が予算を上回っているか、下回っているかを簡単に把握できます。
// 予算と実績を比較する散布図を作成するサンプルコード
function createBudgetVsActualChart() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName("予算実績データ");
// 予算と実績のデータ範囲を指定
const budgetRange = sheet.getRange("A1:A10"); // A列に予算データ
const actualRange = sheet.getRange("B1:B10"); // B列に実績データ
// グラフを作成
const chart = sheet.newChart()
.setChartType(Charts.ChartType.SCATTER)
.addRange(budgetRange)
.addRange(actualRange)
.setOption("title", "予算 vs 実績")
.setOption("hAxis.title", "予算")
.setOption("vAxis.title", "実績")
.setPosition(5, 5, 0, 0)
.build();
// グラフをスプレッドシートに挿入
sheet.insertChart(chart);
}
コード例2:経費の傾向分析
この例では、月ごとの経費データを散布図で可視化します。X軸に月、Y軸に経費をプロットすることで、経費の増減傾向や異常値を特定できます。例えば、特定の月に経費が急増している場合、その原因を調査することで、無駄な支出を削減できます。
// 経費の傾向分析を行う散布図を作成するサンプルコード
function createExpenseTrendChart() {
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName("経費データ");
// 月と経費のデータ範囲を指定
const monthRange = sheet.getRange("A1:A12"); // A列に月データ
const expenseRange = sheet.getRange("B1:B12"); // B列に経費データ
// グラフを作成
const chart = sheet.newChart()
.setChartType(Charts.ChartType.SCATTER)
.addRange(monthRange)
.addRange(expenseRange)
.setOption("title", "月次経費の傾向")
.setOption("hAxis.title", "月")
.setOption("vAxis.title", "経費")
.setPosition(5, 5, 0, 0)
.build();
// グラフをスプレッドシートに挿入
sheet.insertChart(chart);
}
よくある問題とトラブルシューティング
- グラフが表示されない:データ範囲が正しいか、スプレッドシートのIDが正しいかを確認してください。
- グラフの表示が崩れる:データの形式が正しいか(数値として認識されているか)を確認してください。
- スクリプトがエラーになる:APIの権限設定が正しいかを確認してください。
カスタマイズ方法と応用例
- グラフのタイトルや軸ラベルを変更する:
setOption
メソッドを使用して、グラフのタイトルや軸ラベルをカスタマイズできます。 - データポイントの色や形を変更する:
setOption
メソッドを使用して、データポイントの色や形を変更できます。 - 複数のグラフを組み合わせる:複数の
EmbeddedChartBuilder
オブジェクトを作成し、それぞれ異なるデータをプロットすることで、より複雑な分析を行うことができます。
まとめ
本記事では、GASのEmbeddedChartBuilder.asScatterChart
関数を活用し、予算管理を可視化する方法について解説しました。散布図を使用することで、予算と実績の比較、経費の傾向分析など、財務データの分析を効率的に行うことができます。ぜひ、本記事で紹介したコード例を参考に、日々の業務に役立ててください。
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