GASで実現!中小企業向け夏季休暇中のGmail自動返信設定:初心者向け入門
中小企業の皆様、夏季休暇の準備は進んでいますか? 夏季休暇中は、多くのお客様からのお問い合わせに対応できないことがあります。そこで、Google Apps Script(GAS)を使って、Gmailの自動返信設定を簡単に作成する方法をご紹介します。今回は初心者向けに、基本的な設定方法から、より実用的な応用例までを解説します。
GASとは?
Google Apps Script(GAS)は、Google Workspaceの各種サービス(Gmail、スプレッドシート、ドキュメントなど)を連携させて、様々な処理を自動化できるスクリプト言語です。JavaScriptをベースにしているため、プログラミング初心者でも比較的簡単に学ぶことができます。
なぜGASでGmail自動返信?
Gmailには標準の自動返信機能がありますが、GASを使うことで、より柔軟な設定が可能になります。例えば、特定のキーワードを含むメールにのみ返信したり、返信する時間帯を限定したり、個別の返信内容を設定したりすることができます。
自動返信設定の基本手順
以下の手順で、GASを使ったGmail自動返信設定を行います。
- スクリプトエディタを開く
Google Driveから「新規」→「その他」→「Google Apps Script」を選択して、スクリプトエディタを開きます。
- コードを入力
以下のコードをスクリプトエディタに貼り付けます。
function autoReply() {
// 検索クエリの設定(未読メールを検索)
const query = 'is:unread';
// スレッドを取得
const threads = GmailApp.search(query);
// スレッドごとに処理
for (const thread of threads) {
// メッセージを取得
const messages = thread.getMessages();
const lastMessage = messages[messages.length - 1];
// 既に応答済みの場合はスキップ
if (lastMessage.getFrom().indexOf(Session.getActiveUser().getEmail()) > -1) {
continue;
}
// 送信者に返信
lastMessage.reply("夏季休暇中の自動返信です。",
"お問い合わせありがとうございます。
夏季休暇のため、8月15日までお休みをいただいております。
8月16日以降に順次対応させていただきます。");
// スレッドを既読にする
thread.markRead();
}
} - トリガーを設定
スクリプトエディタの「トリガー」アイコンをクリックし、「トリガーを追加」を選択します。時間主導型トリガーを選択し、「時間ベースのトリガー」を「分」に設定し、例えば「5分ごと」に実行するように設定します。
- 権限を承認
スクリプトの実行時に、Gmailへのアクセス権限を求められるので、承認します。
コードの解説
GmailApp.search(query)
: Gmailを検索し、条件に合致するスレッドを取得します。ここでは、未読メール(is:unread
)を検索しています。thread.getMessages()
: スレッド内のメッセージを取得します。lastMessage.reply(subject, body)
: 最後のメッセージに返信します。引数には、件名(subject
)と本文(body
)を指定します。thread.markRead()
: スレッドを既読にします。
応用例
- 特定のキーワードを含むメールにのみ返信
query
の条件を変更することで、特定のキーワードを含むメールにのみ返信することができます。例えば、query = 'subject:緊急'
とすると、件名に「緊急」というキーワードを含むメールのみに返信します。 - 返信する時間帯を限定
if (new Date().getHours() >= 9 && new Date().getHours() < 18) { ... }
のように条件を追加することで、午前9時から午後6時までの間のみ返信するように設定できます。 - 個別の返信内容を設定
lastMessage.reply(subject, body)
のbody
引数を変更することで、個別の返信内容を設定できます。
活用シーン
この自動返信設定は、以下のようなシーンで活用できます。
- 夏季休暇中の自動返信
- 年末年始休暇中の自動返信
- 出張中の自動返信
- 会議中の自動返信
中小企業におけるGAS導入のメリット
中小企業では、リソースが限られていることが多いため、GASを活用することで、業務効率化やコスト削減に繋がる可能性があります。特に、夏季休暇のような期間限定の業務を自動化することで、担当者の負担を軽減し、顧客満足度を向上させることができます。
まとめ
今回は、GASを使ったGmail自動返信設定の基本手順と応用例をご紹介しました。初心者の方でも簡単に設定できるので、ぜひこの機会に試してみてください。GASをマスターすることで、Gmail以外にも、スプレッドシートやドキュメントなど、様々なGoogle Workspaceのサービスを自動化し、業務効率を大幅に向上させることができます。