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GASで経費精算を効率化！Folder.addFileで証拠書類を自動整理

GASで経費精算を効率化！Folder.addFileで証拠書類を自動整理

経費精算は、月末にまとめて行うと時間がかかり、ミスも起こりやすい業務です。特に、領収書やレシートといった証拠書類の管理は煩雑になりがちです。本記事では、Google Apps Script（GAS）のFolder.addFile関数を利用して、経費精算の証拠書類を自動で整理し、業務効率を大幅に改善する方法をご紹介します。

Folder.addFile関数の基本

Folder.addFile関数は、Google Driveのフォルダにファイルを移動またはコピーするために使用します。この関数を使うことで、GASから特定のファイルを指定のフォルダに簡単に格納できます。

構文：

folder.addFile(file)

  • folder: ファイルを追加するフォルダオブジェクト。

  • file: 追加するファイルオブジェクト。

経費精算におけるFolder.addFileの活用

経費精算の証拠書類（領収書、レシートなど）を特定のフォルダに自動で整理することで、以下のようなメリットがあります。

  • 書類の紛失防止： 証拠書類をクラウド上に一元管理することで、紛失のリスクを低減できます。

  • 検索性の向上： フォルダ構造を工夫することで、必要な書類を素早く見つけられます。

  • 監査対応の効率化： 監査時に必要な書類をまとめて提示できます。

実用的なコード例

1. スプレッドシートからファイルIDを取得してフォルダに保存

スプレッドシートに記載されたファイルIDをもとに、ファイルを指定のフォルダに保存する例です。

function moveFileToExpenseFolder() {
  // スプレッドシートIDとシート名、フォルダIDを設定
  const ssId = 'YOUR_SPREADSHEET_ID';
  const sheetName = '経費精算';
  const folderId = 'YOUR_FOLDER_ID';

  // スプレッドシートとフォルダを取得
  const ss = SpreadsheetApp.openById(ssId);
  const sheet = ss.getSheetByName(sheetName);
  const folder = DriveApp.getFolderById(folderId);

  // ファイルIDが記載されている列番号を指定（A列なら1）
  const fileIdColumn = 2;  // 例：B列
  // 開始行（データが始まる行）
  const startRow = 2; 

  // 最終行を取得
  const lastRow = sheet.getLastRow();

  // ファイルを移動
  for (let i = startRow; i <= lastRow; i++) {
    const fileId = sheet.getRange(i, fileIdColumn).getValue();

    //ファイルIDが空の場合はスキップ
    if (!fileId) continue;

    try {
      const file = DriveApp.getFileById(fileId);
      folder.addFile(file);
      Logger.log('ファイル ' + file.getName() + ' を移動しました。');
    } catch (e) {
      Logger.log('ファイルID ' + fileId + ' のファイルが見つかりません: ' + e);
    }
  }
}

2. フォーム送信時に自動でファイルをフォルダに保存

Googleフォームで領収書の画像をアップロードしてもらい、送信されたファイルを自動でフォルダに保存する例です。フォームの回答シートからファイルIDを取得します。

function onFormSubmit(e) {
  // フォルダIDを設定
  const folderId = 'YOUR_FOLDER_ID';

  // フォルダを取得
  const folder = DriveApp.getFolderById(folderId);

  // フォームの回答からファイルIDを取得（フォームの回答の列番号に合わせて変更）
  const fileId = e.response.getItemResponses()[0].getResponse();

  // ファイルを取得してフォルダに移動
  try {
    const file = DriveApp.getFileById(fileId);
    folder.addFile(file);
    Logger.log('ファイル ' + file.getName() + ' を移動しました。');
  } catch (e) {
    Logger.log('ファイルID ' + fileId + ' のファイルが見つかりません: ' + e);
  }
}

3. メールに添付されたファイルを自動保存

特定のラベルが付いたメールから添付ファイルを取得し、特定のフォルダへ保存する例です。

function saveAttachmentsToFolder() {
  // フォルダIDとラベル名を設定
  const folderId = 'YOUR_FOLDER_ID';
  const labelName = '経費精算';

  // フォルダとラベルを取得
  const folder = DriveApp.getFolderById(folderId);
  const label = GmailApp.getUserLabelByName(labelName);

  // ラベルが付いたスレッドを取得
  const threads = label.getThreads();

  // スレッド内のメッセージを処理
  for (let i = 0; i < threads.length; i++) {
    const messages = threads[i].getMessages();

    // メッセージ内の添付ファイルを処理
    for (let j = 0; j < messages.length; j++) {
      const message = messages[j];
      const attachments = message.getAttachments();

      // 添付ファイルをフォルダに保存
      for (let k = 0; k < attachments.length; k++) {
        const attachment = attachments[k];
        folder.addFile(attachment);
        Logger.log('添付ファイル ' + attachment.getName() + ' を保存しました。');
      }
    }
    // スレッドからラベルを削除 (処理済みのスレッドを区別するため)
    threads[i].removeLabel(label);
  }
}

よくある問題とトラブルシューティング

  • ファイルが見つからない： ファイルIDが間違っている可能性があります。スプレッドシートやフォームの回答を確認してください。

  • フォルダにファイルを追加できない： フォルダIDが間違っているか、GASにフォルダへのアクセス権がない可能性があります。

  • スクリプトの実行権限： GASの初回実行時には、Googleアカウントへのアクセス許可が必要です。

カスタマイズ方法と応用例

  • フォルダ構造の自動作成： 月ごとにフォルダを自動作成し、証拠書類を整理できます。

  • ファイル名の自動変更： ファイル名に日付や金額などの情報を付与することで、検索性を向上させることができます。

  • エラー通知： ファイルの移動に失敗した場合に、担当者にメールで通知することができます。

まとめ

GASのFolder.addFile関数を活用することで、経費精算の証拠書類管理を自動化し、業務効率を大幅に改善できます。ぜひ本記事で紹介したコード例を参考に、自社の経費精算フローに合わせたカスタマイズを行ってみてください。

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