Gmailの件名(Subject)から始めるデータ分析:GmailMessage.getSubjectで業務効率化
GmailのGmailMessage.getSubject()メソッドを利用して、受信したメールの件名から必要な情報を抽出し、データ分析に活用することで、業務効率を大幅に向上させることができます。例えば、顧客からの問い合わせメールの件名から問い合わせの種類を判別し、自動で担当者に振り分けたり、特定のキーワードを含むメールの件数を集計してレポート作成に役立てたりできます。この記事では、GmailMessage.getSubject()の基本的な使い方から、具体的な業務課題を解決する応用例まで、詳細に解説します。
GmailMessage.getSubject()の基本
GmailMessage.getSubject()は、GAS(Google Apps Script)でGmailのメッセージオブジェクトからメールの件名を取得するためのメソッドです。非常にシンプルでありながら、様々なデータ分析の入り口として活用できます。
構文
message.getSubject()
ここで、messageはGmailMessageオブジェクトを表します。
戻り値
メールの件名を文字列として返します。
データ分析でのGmailMessage.getSubject()の実装例
ここでは、GmailMessage.getSubject()をデータ分析に活用する具体的な例をいくつか紹介します。
1. 問い合わせ内容の自動分類とレポート作成
顧客からの問い合わせメールの件名に含まれるキーワードに基づいて、問い合わせ内容を自動的に分類し、レポートを作成する例です。
function analyzeEmailSubjects() {
// 検索クエリを設定 (例: 過去7日間の未対応のメール)
const searchQuery = 'is:unread newer_than:7d';
const threads = GmailApp.search(searchQuery);
let inquiryCounts = {};
for (const thread of threads) {
const messages = thread.getMessages();
for (const message of messages) {
const subject = message.getSubject();
// 問い合わせの種類を判別 (例: 件名に「請求」が含まれる場合は請求関連)
let inquiryType = 'その他';
if (subject.includes('請求')) {
inquiryType = '請求';
} else if (subject.includes('納期')) {
inquiryType = '納期';
} else if (subject.includes('仕様')) {
inquiryType = '仕様';
}
// 問い合わせの種類ごとの件数をカウント
if (inquiryCounts[inquiryType]) {
inquiryCounts[inquiryType]++;
} else {
inquiryCounts[inquiryType] = 1;
}
}
}
// 結果をログに出力 (実際にはスプレッドシートに出力したり、グラフを作成したりする)
console.log(inquiryCounts);
// スプレッドシートに出力する例
const ss = SpreadsheetApp.create('問い合わせ分析レポート');
const sheet = ss.getActiveSheet();
sheet.appendRow(['問い合わせ種類', '件数']);
for (const type in inquiryCounts) {
sheet.appendRow([type, inquiryCounts[type]]);
}
}
2. 特定のプロジェクトに関するメールの抽出と集計
件名に特定のプロジェクト名を含むメールを抽出し、その件数を集計する例です。
function countProjectEmails(projectName) {
// プロジェクト名を含むメールを検索
const searchQuery = 'subject:' + projectName;
const threads = GmailApp.search(searchQuery);
// スレッド数をカウント (各スレッドには複数のメッセージが含まれる可能性がある)
let emailCount = 0;
for (const thread of threads) {
emailCount += thread.getMessageCount();
}
// 結果をログに出力
console.log(projectName + 'に関するメールの数: ' + emailCount);
}
3. アラートメールの集計と重要度分析
システムからのアラートメールの件名から、アラートの種類を判別し、重要度に応じて対応を促す例です。
function analyzeAlertEmails() {
// 未読のアラートメールを検索
const searchQuery = 'is:unread subject:アラート';
const threads = GmailApp.search(searchQuery);
let highPriorityCount = 0;
let mediumPriorityCount = 0;
let lowPriorityCount = 0;
for (const thread of threads) {
const messages = thread.getMessages();
for (const message of messages) {
const subject = message.getSubject();
// アラートの種類を判別し、重要度を判断
if (subject.includes(' критический')) {
highPriorityCount++;
} else if (subject.includes('警告')) {
mediumPriorityCount++;
} else {
lowPriorityCount++;
}
}
}
// 結果をログに出力
console.log('高重要度アラート: ' + highPriorityCount);
console.log('中重要度アラート: ' + mediumPriorityCount);
console.log('低重要度アラート: ' + lowPriorityCount);
}
よくある問題とトラブルシューティング
- 件名が取得できない場合:
GmailMessageオブジェクトが正しく取得できているか確認してください。検索クエリが正しいか、メールが存在するかなども確認が必要です。 - 文字コードの問題: 件名に特殊文字が含まれている場合、文字コードが正しく処理されないことがあります。
Utilities.newBlob(message.getSubject()).getDataAsString('UTF-8')などで文字コードを指定して取得してみてください。
カスタマイズ方法と応用例
- 定期的なレポートの自動作成:
GmailMessage.getSubject()で取得したデータをGoogle Sheetsに出力し、定期的にレポートを作成するスクリプトを作成できます。 - Slackへの通知: 特定のキーワードを含むメールの件名をSlackに通知することで、迅速な対応を促すことができます。
- 機械学習との連携:
GmailMessage.getSubject()で取得した件名を機械学習モデルに入力し、メールの内容を予測したり、感情分析を行ったりできます。
まとめ
GmailMessage.getSubject()は、Gmailの件名から情報を抽出し、データ分析に活用するための強力なツールです。この記事で紹介した例を参考に、ぜひ業務効率化に役立ててください。GASとGmailMessage.getSubject()を組み合わせることで、日々のメール処理を自動化し、より戦略的な業務に集中できるようになります。

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